文山包種茶(2)
文山包種茶はお気に入りの茶葉の一つ、その香りの豊かさと味わいのまろやかさ。何といっても花のように感じる青い香りが最高です。茶葉単独から生み出される香りの中で、一番香りが強いと言われるのも納得です。
文山包種茶、台湾茶の分類は「包種茶」名称は「包種茶」
文山包種茶は軽発酵と記されていることが多いが疑義が生じる。異論が多いと思うが茶香好友としての意見を記す。
新製法下での文山包種茶生産工程をつぶさに考察すると、摘採時の茶葉温が一番高い。寒冷紗下の萎凋では茶葉の表面温度は低下している。室内萎凋時の茶葉温はさらに低下し、触れるとひんやりしていることがわかる。室内萎凋終了まで茶葉温が上昇することは無い。発酵茶の代表紅茶や東方美人茶の場合、揉捻や撹拌により茶葉温が徐々に上昇し暖かくなっている。茶葉の酵素と酸素が反応して発酵熱が発生しているためである。発酵に伴う発熱が全くないお茶を軽発酵と位置付けるのはいささか乱暴だと思う次第です。室内萎凋時の撹拌の目的は不要な香りを引き出し捨て去ることが目的だと考えると、発酵させるための作業は文山包種茶の工程には存在しない。これは乱暴な意見だと切り捨てられるかもしれないが、軽醗酵だとすると、醗酵熱が存在しない茶葉はどの時点で醗酵してるのだろうか?

茶壹福
旧製法なら軽醗酵も納得
民國100年以前に主流だった旧製法では、室内萎凋時に「揺菁」という均一化するための作業をすることがありました。揺菁機という竹製やステンレス製の機械で茶葉を投入して回転させながら攪拌します。必ずしもすべての茶葉で行うのではなく、意図して行っていました。一般的には日光萎凋を少し強めに、室内萎凋時の室温が高めの時に行う傾向が多かった。
この作業を行った茶葉は茶葉のふちが褐変し、香りに花香というより果実香が加わります。揺菁後の茶葉はやや温かみが増し醗酵の兆候を感じることができました。しかし旧製法でも花香を強く出したいときには揺菁作業を行わないことも多くありました。

茶壹福
走水?
萎凋を知るなら文山包種茶を勉強しろと言われますが、「走水」という言葉を聞くことが多いと思います。室内萎凋で茶師が行っている作業が「走水」と言われます。茎から葉脈を伝い、茶葉の中心から縁に向かって水分を抜く作業です。この作業によって茶葉内の青臭い香りも一緒に抜くことになります。青臭さを感じる茶葉は走水が雑だった証拠です。
文山包種茶は走水によっていらない香りを捨て去り、必要な香りを生み出すのです。走水がうまくいかなかった茶葉は葉脈に褐色の点々が残りすぐわかります。うまくいった茶葉は葉脈が白く光るように輝いています。雑感がなくすっきりとした香りを生み出すためには茶葉からいかにうまく水分を抜かくかにかかっているのです。

茶壹福
清茶とは
文山包種は別名「清茶」といわれますが、最近では耳にすることが非常に少なくなってきました。印象では青心烏龍種主流のころは清茶と呼ぶ人が多かった、若い世代のお茶離れに伴って「金萱種」などの新品種が加わり文山包種茶〇〇種などという呼び名が多くなった気がします。1980年代初め、清茶は一般に多く飲まれていた印象は少なく、焙煎系のお茶が主流だった。日本茶のようにきれいな水色で香り高いお茶ではあったが、当時の保存技術では高温多湿の台湾を長く生き延びるのは難しかった。作りたてのお茶を楽しめる台北付近の人たちだけのお茶だったのかもしれない。
茶壹福
さけては通れない醗酵の問題